富山ガラス大賞展2024
入賞作品情報
rêverie
2022
H330×W350×D250
この作品は、私たちのはかなく、エーテルのような存在について、そして、つかの間の、ほとんど非物資的といえる存在についての問いかけである。本質的な問いについて考えを巡らすとき、この作品が投げかけてくる課題は、はかなさや見かけの軽さという考えを掘り下げてゆき、その過程で作品自体が姿を消し去り、作品に対する思いや感情だけが残るようにすることだ。それは、軽いと思われているもの、重さがないと思われているもの、私たちの憧れや夢を真にエーテル的なものにしているものは何かという問いにかかわるものだ。 (富山シティエフエム「クロストーク」よりタンニャ・パァクさんのお話を下のプレイヤーでお聴き下さい)
タンニャ・パァク
Republic of Slovenia
タンニャ・パァク
Republic of Slovenia
Forgotten
2023
H90×W60×D5
作品は2つの部分から構成されている。ひとつは、私たちが子供の頃に紙を折って遊んだペーパーフォルディング(ボート、飛行機、扇、「デイナイト(day-night)」、お菓子のパッケージなどシンプルな 「折り紙」のようなもの)。もうひとつは、それらの紙の図形の折り目として使われているガラス板。子供の頃のシンプルな現実、大きな夢を想起させる作品だ。それはまるで、まだ辛い現実を知らない頃、未来が明るく魅力的に見えた頃にタイムスリップしたかのようだ。 (富山シティエフエム「クロストーク」よりダリア・トルスカイトゥさんのお話を下のプレイヤーでお聴き下さい)
ダリア・
トルスカイトゥ
Republic of Lithuania
ダリア・
トルスカイトゥ
Republic of Lithuania
Riot of flies
2022
H60×W60×D20
ハエは暖かくなると出てくる。私たちはそれを喜ぶだろうか。とんでもない!私たちはハエに反旗を翻す!ハエはうるさい!食べ物にたかる!奴らは寄生虫だ!駆除しなければならない!だが、私たちは、いつもあらゆるものに反抗しなければならないのだろうか。挑発と反抗をテーマにしたこのシリーズは、眠りから覚めたハエをイメージし、誰か相手を滅ぼすのではなく平和的に共存できないか、という問題を提起している。
ビルギット・
ペラプウ
Republic of Estonia
ビルギット・
ペラプウ
Republic of Estonia
光の満ち引き/The ebb and flow of the light
2023
H33×W80×D55
私は「すりガラスと鏡面ガラスが混在する美しさ」また「すりガラスに映り込む影の魅力」に着目して制作をしています。すりガラスに映り込む影は、ガラスの厚みによって見え方が変わりますが、その変化が自分自身の心の変化とシンクロしているように感じています。 (富山シティエフエム「クロストーク」より作田 美智子さんのお話を下のプレイヤーでお聴き下さい)
作田 美智子
Japan
作田 美智子
Japan
Blurred Flower Shadow
2023
H43×W29×D29
この作品は、数本の花束を持って帰宅した人の姿を描いている。入浴の後、鏡に映るぼやけた花影。私は、吹きガラスの彫刻の視覚的な体験を高めることによって、見る者が視覚から触覚へと自分の体験をたどることができる「共感覚的な手触り(synesthetic touch)」というコンセプトを提案している。共感覚を媒介として記憶や想像力を喚起し、視覚を超えた、手の届かないものとつながる方法を提供することを目指している。
ザオ・ジンア
People‘s Republic of China
ザオ・ジンア
People‘s Republic of China
dress for a heroess II
2023
H80×W42×D36
「dress for a heroess II」は、trashy divasのシリーズの一部である。この作品には、写真とパフォーマンスも含まれ、女性らしさの露骨なシンボルを、強さや力強さへと変容させている。
シモーネ・
フィツァー
Federal Republic of Germany
「dress for a heroess II」は、trashy divasのシリーズの一部である。この作品には、写真とパフォーマンスも含まれ、女性らしさの露骨なシンボルを、強さや力強さへと変容させている。
Untitled (Level #2)
2023
H70×W35×D50
欠陥は参照すべき基準となるものがなければ存在し得ない。似たような欠陥が頻繁に現れる場合、それは変更された別の「基準」の存在を暗示しているのかもしれない。すべてのガラス職人の見習いがそうであるように、私も練習中に、中心から外れたものや出来の悪いものなど、欠陥のあるゴブレットをたくさん作ってきた。この経験から、すべてのゴブレットが同じような角度で中心から外れているという状況を作れば、ゴブレットの欠陥が気にならなくなるのではないかと考えた。
ヤン・ドンハン
People‘s Republic of China
欠陥は参照すべき基準となるものがなければ存在し得ない。似たような欠陥が頻繁に現れる場合、それは変更された別の「基準」の存在を暗示しているのかもしれない。すべてのガラス職人の見習いがそうであるように、私も練習中に、中心から外れたものや出来の悪いものなど、欠陥のあるゴブレットをたくさん作ってきた。この経験から、すべてのゴブレットが同じような角度で中心から外れているという状況を作れば、ゴブレットの欠陥が気にならなくなるのではないかと考えた。
The Gestures of Glassmakers N.2
(Les épis de faîtage of
Sars-Poteries)
2022
(Les épis de faîtage of Sars-Poteries) 2022
ガラスを吹くプロセスを、身体だけを使い、ダンスの振付のような動きとして表現した作品である。ガラス、熱、道具、機械は目に見えないが、パフォーマーの動きからその存在を感じ取ることができる。ビデオ・プロジェクションを使ったこのプロジェクトは、ガラスの持つ芸術としての可能性を探求しながら、その物質的特性を超えて現代アートとの橋渡しをするものだ。ガラス吹き職人に敬意を表すとともに、職人技を通して表現されるユニークな言語としての動きに見られる多様な美に価値を与えたいとの思いから生まれたプロジェクトだ。
ディミエ
French Republic
ディミエ
French Republic
unknown unknowns
2023
H54×W60×D35
細胞が集まり組織を作り、器官を形成し個体となる。細胞の分化を人工的に操作することは、人類の進化の次のステップとなるのだろうか。異種移植をテーマに、細胞分裂により組織や器官へ分化するイメージをガラスで造形し、実体のない影を用いて臓器を描くことで不確かさや不完全さを表現した。 (富山シティエフエム「クロストーク」より松尾 里奈さんのお話を下のプレイヤーでお聴き下さい)
松尾 里奈
Japan
細胞が集まり組織を作り、器官を形成し個体となる。細胞の分化を人工的に操作することは、人類の進化の次のステップとなるのだろうか。異種移植をテーマに、細胞分裂により組織や器官へ分化するイメージをガラスで造形し、実体のない影を用いて臓器を描くことで不確かさや不完全さを表現した。 (富山シティエフエム「クロストーク」より松尾 里奈さんのお話を下のプレイヤーでお聴き下さい)
入選作品情報 (横にスライドしてご覧ください)
作品名 | 作家名 | 制作年 | 国・地域 | |
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Silver organism | マリア・トレンデール | 2022 | Oriental Republic of Uruguay | |
銀色のグラス (feat. Char) | 中西 克之 | 2022 | Japan | |
富山シティエフエムより |
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Blurred Flower Shadow | ザオ・ジンア | 2023 | People’s Republic of China | |
JUNTOS 923 | バレリー・レイ | 2023 | Republic of Costa Rica | |
Swinging Hammer | ロバート・バーチ | 2023 | United States of America | |
Fragile:Whale | ゲイル・チャーチ | 2023 | Canada | |
Golden Peaks | IRDSスタジオ | 2023 | Czech Republic | |
Perfect Ten | キャロル・ミルン | 2021 | United States of America | |
Homunculus | エミリア・スミス | 2023 | United States of America | |
弦月 04 | 上前 功夫 | 2023 | Japan | |
Synchronous | キャサリン・シリング | 2023 | United Kingdom | |
Lagoon Ellipse | デイビッド・パッチェン | 2023 | United States of America | |
Kari Forest Mist | ピーター・コバチー | 2023 | Australia | |
Glimmer | デイビッド・シュナッケル | 2023 | United States of America | |
Finding Lines 2 | アレクサンドラ・ハースト | 2023 | Australia | |
Accumulated Lines (Love and Champagne) | マリア・バン・エスペルセン | 2023 | Kingdom of Sweden | |
self-inflicted | ミッチェル・ゴウデイ | 2023 | United States of America | |
FLUX | モーテン・クリトゴー | 2023 | Kingdom of Denmark | |
Untitled (Level #2) | ヤン・ドンハン | 2023 | People’s Republic of China | |
Conflict | ウラジミール・プロハースカ | 2023 | Czech Republic | |
Glow | トレイシー・ニコルス | 2023 | United Kingdom | |
t.o.p. | 井本 真紀 | 2023 | Japan | |
富山シティエフエムより |
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スクリーン(ガラスビーズ),002 | 清水 健 | 2023 | Japan | |
In conversation with history: Medusa/Guggenheim | ジェーソン・マクドナルド | 2023 | United States of America | |
地平線 | 田中 里姫 | 2023 | Japan | |
富山シティエフエムより |
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余波 | 木下 結衣 | 2023 | Japan | |
富山シティエフエムより |
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Shaping Light IV | ハナ・ゲイソン | 2023 | Australia | |
Mutter | ベレンゴスタジオ | 2023 | Italian Republic | |
Water’s Soul | ベレンゴスタジオ | 2022 | Italian Republic | |
Assembly, 2023 | ダフナ・カフマン | 2023 | State of Israel | |
Sharing Breath | リーア・ウィングフィールド | 2023 | United States of America | |
IO | ズザナ・クベルコバ | 2023 | Czech Republic | |
Golden Hour | ベイリー・ドノバン | 2023 | Australia | |
Family | グオ・ジャンヨン | 2023 | People’s Republic of China | |
Lamellae III | ニーナ・キャッソン・マクガルバ | 2023 | United Kingdom | |
Area / Vertical (second version) | トマーシュ・プロコプ | 2022 | Czech Republic | |
呼継「邯鄲」 | 西中 千人 | 2023 | Japan | |
富山シティエフエムより |
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地球のうた | 松藤 孝一 | 2023 | Japan | |
富山シティエフエムより |
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evanescent #2 | アンジャリ・スリニバサン | 2023 | Republic of India | |
うつろう | 鹿田 洋介 | 2023 | Japan | |
富山シティエフエムより |
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The Tailor’s Palette | シルビア・ツィーメルマン | 2022 | State of Israel | |
Shimmer | トゥー・トーン・スタジオズ | 2023 | Japan | |
富山シティエフエムより |
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Desire Union-LOOP | ジャング・スゥイ | 2021 | People’s Republic of China | |
Global Crisis | ネイディン・セイラー | 2022 | United States of America | |
Les Gestes Verriers, The Gesture of Glassmakers | ディミエ | 2022 | French Republic | |
Building No. 02 | パヴェル・コルビチカ | 2023 | Czech Republic | |
Atmosphere Vessels | セリア・ダンソン | 2023 | United Kingdom | |
wujian | ファン・ウェン | 2023 | People’s Republic of China | |
Riot of flies | ビルギット・ペラプウ | 2022 | Republic of Estonia | |
Flowers | カリナ・デル・サビオ | 2023 | Argentine Republic | |
Forgotten | ダリア・トルスカイトゥ | 2023 | Republic of Lithuania | |
unknown unknowns | 松尾 里奈 | 2023 | Japan | |
COLORFUL FISH | ウラジミール・クライン | 2022 | Czech Republic | |
海底(底引き網) | シゲフジシロ | 2023 | Federal Republic of Germany | |
富山シティエフエムより |
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rêverie | タンニャ・パァク | 2022 | Republic of Slovenia | |
光の満ち引き | 作田 美智子 | 2023 | Japan | |
Hello, Again | メン・ドゥ | 2023 | People’s Republic of China | |
Vestige | 藤掛 幸智 | 2023 | Japan | |
dress for a heroess II | シモーネ・フィツァー | 2023 | Federal Republic of Germany | |
tuvalu | セバスチャン・リヒター | 2021 | Federal Republic of Germany |